抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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梅田川下流の改修区間で,魚類の回復状況と生息場選択性を明らかにするために調査を行なった。期間中の採集魚種リストは,全体で5科15種が確認され,採集個体数割合はカワヨシノボリ,アブラハヤ,オイカワの3種で90%以上を占めた。改修後の形態区分を水際,河床等の特徴から,開放区,カバー区,人工区等として比較検討した。採集個体数はカバー区が60%以上を占めて多かった。物理的環境要因の季節変化は,最高水位が9月で最も高い値,水深が開放区で6月より高い値となり,水際照度等は,カバー区で6月から10月まで低い値となっていた。基質性状では,カバー区で9月から砂率等が高くなっていった。魚類生息密度の季節変化は,オイカワ,アブラハヤが7,8月に高い値で,9月に低い値となった。冬も両種で低かった。カワヨシノボリは周年確認され,夏から秋にかけて生息密度が高くなった。体長分布の季節変化では,アブラハヤが生長初期,成魚ともカバー区で多く出現し,オイカワが初期にカバー区,その後に開放区で出現していた。生息密度と環境要因との関係は,オイカワが流れ幅,砂率,小礫率,アブラハヤが水際照度,流速,小礫率等,カワヨシノボリが土坦率,流れ幅,水面下のカバー面積等との関係が示された。以上から,改修後の形態は変化し,それに応じて出現魚種による利用様式も変化した。また,増水等による影響が大きいことも推測された。(著者抄録)