抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
銅スラグの有効利用の観点で溶出性が問題になる重金属は,鉛の他にヒ素がある。そこで本研究では,主として銅スラグからのヒ素の溶出性を調査した。また,銅スラグにいくつかの酸化物を添加して成分調整したときのヒ素と鉛の溶出性の変化,および銅スラグに熱処理を施したときのヒ素と鉛の溶出性の変化についても検討を加えた。以下のことが明らかとなった。1)溶液の液性(pH)を変えて銅スラグからのヒ素の溶出濃度を調査した結果,pH=4~8の溶液では溶出基準の0.01ppmをほぼ満足するスラグでも,pH=2~3ではヒ素の溶出濃度がきわめて高くなった。2)銅スラグにSiO
2とCaOをそれぞれ添加して成分調製したスラグからのヒ素の溶出濃度を調査した結果,SiO
2添加量が多いほどヒ素の溶出濃度は低くなり,CaO添加量が多いほどヒ素の溶出濃度は高くなった。3)銅スラグを大気中で熱処理すると,熱処理温度500~700°Cではヒ素の溶出濃度が減少するものの,熱処理温度がこれよりも高くなるとヒ素の溶出濃度は増加する傾向を示した。4)大気中で熱処理した銅スラグからの環境庁告示第19号溶出試験によるヒ素の溶出量を調査した結果,熱処理温度の上昇とともにヒ素の溶出量は低下し,500~700°Cの温度で熱処理すると,ヒ素の溶出量も鉛と同様,土壌含有量基準の溶出量である150mg/kgをクリヤーした。