抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「あすと長町仮設住宅(仙台市)(あすと仮設)」では,入居開始当初から住みにくいといった声があがっていた。玄関の庇の拡張や断熱壁の設置等の追加工事により多少の居住性能が改善したものの室内の狭さは相変わらずである。そうした中,著者らの研究室は,2011年5月から仮設住宅の軒先や室内に収納等を制作するという取り組みを実施している。本稿では,「あすと仮設」は高齢化率の極めて高い,多地域から寄せ集まった見知らぬ者同士の集住体であり,入居当初はトラブルが頻発したが,ようやく8月になって自治組織が形成されたことなど,入居から現在までのコミュニティの状況について概観した後,研究室による仮設カスタマイズお助け隊の活動状況について報告した。また,仮設カスタマイズがコミュニケーションの場になり,カフェをやりながらその傍らで縁台などを制作するイベントを行い,多くの居住者等の参加を得たこと,11月には塩竈市,南三陸町,大船渡市の仮設住宅に出張でイベントを開催したこと,「あすと仮設」に対するその他の多様な支援の内容を紹介した。また,共助型コミュニティが育まれつつあることとその継承について述べ,仮設から本設(復興住宅)に向けた居住支援のあり方を展望した。