抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本研究では,学習者が協同で行う説明構築活動に注目し,PCA(Pedagogical Conversational Agent)の有効性を実験的に検討した。実験では,大学生の学習者がペアでコンピュータターミナルを介して心理学の概念について説明し合う場面が設定された。また,実験装置として学習者の発話状況に応じてサジェスチョンや身体動作を行うPCAを開発した。実験の目的は,PCAが提示するサジェスチョンプロンプトに含まれるポジティブな感情表現が学習活動の向上に影響するのかを検討することであった。実験では,(1)ポジティブ条件と(2)ネガティブ条件,(3)ニュートラル条件の三つの条件が設定され,被験者間計画による検討が行われた。その結果,学習の理解度を測るプレ・ポストテストでは,ポジティブ条件の学習者の方がネガティブ条件とニュートラル条件の学習者よりも概念に対する深い理解を構築していたことが明らかになった。また,会話のプロセス分析より,ポジティブ条件の学習者は,他条件の学習者よりも質の高い説明を行っていたことが明らかになった。本研究で得られた知見は,PCAを用いた学習者による自主的な協同学習環境の構築やインタフェースのデザインに向けた新たな指針を与える。(著者抄録)