抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,国内の水系における固定堰の親水的活用について報告した。先ず,研究の方法に関し,既往研究で対象とされた276例の堰のうち,廃止,撤去,可動堰へ改築されたものと被災地に立地する21例を除く国内79水系255例を対象に,データベースを用いて管理者の特定を進めたこと,そのうち112例については特定できたため,堰の管理者に対し電話による聴取調査を行ったことを報告した。次に,活用の有無と活用しない理由に関し,管理者に聴取を行った112例のうち49例(44%)について活用有,63例(56%)について活用無との回答を得たこと等を報告した。更に,54例の活用の検証に関し,活用についての聴取結果,活用の検証を報告した。加えて,低水路内での行為を前提とする活用の課題に関し,堰および周囲への入込みへの対応,安全管理と親水的活用の両立に向けた方策を報告した。結論として,活用事例の調査結果にもとづき,1)活用は親水的か,2)堰が活用されているか,の2点について考察し,親水空間としての堰体の活用は5例,越流観賞の対象としての活用は1例に過ぎないとの結論に至り,このことは,親水空間として8割,越流観賞の対象として9割の堰が物理的に活用可能という既往研究の知見と大きく異なることを報告した。最後に,景観要素としての堰の評価方法についても今後検討する必要性を提言した。