抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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水力学的な分級作用は,成熟な石英質・石英長石質堆積物の地球化学組成を顕著に改変することが知られているが,組織上または鉱物学的に未成熟な火山岩片を主体とする石質堆積物に対する分級作用の効果については不明な部分が残されている。そこで,モンゴルのツェツァレグ・テレーンのデボン紀~石炭紀の石質堆積岩94試料を用いて,その主成分および微量成分組成から分級作用が未成熟な砕屑物の地球化学組成に及ぼす影響について検討した。全体として,粗粒砂岩から泥岩へと粒径サイズが小さくなるにつれ,いくつかの元素は緩やかに減少(SiO
2,Na
2O,Sr等)または増加(Al
2O
3,K
2O,Rb等)する傾向がある。しかしながら,各粒径サイズごとに内在する元素含有量の変動幅が大きく,粒径サイズと化学組成には系統的な変化は認められなかった。一般的に使用されている堆積岩類の後背地指標(例えば,SiO
2/Al
2O
3,K
2O,Na
2O,Basicity Index,Th/Sc)や後背地風化指標についても各粒径サイズにおいて重複する値が得られた。このように,未成熟な砕屑岩では分級作用の影響が限局的である理由としては,火山岩片が多量に含まれていることと,火山岩片中の石英含有量が少ないために細粒化・破断化による組成改変が起こらないことに起因していると考えられる。ただし,細粒な堆積岩ほど化学組成が幾分均質になる傾向が認められた。(著者抄録)