抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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我が国の最も重要な漁法の1つである定置網の網型は,現在では落網が全国的に普及している。同網は垣網,運動場,昇網,第1,2(3)箱網から成り,側張りロープ(碇網と浮子により海面上に敷設される)からそれぞれの網が垂下されており,網自体は海底に固定されていない。定置網の水中形状(網成り)は潮流によって容易に変化し,それによって漁獲機能が大きく変化すると考えられる。網成りを良好に保つための伝統的手法である立碇の効果を能登半島の東海岸で検証した。垣網網裾の深度と20m深の流向・流速を,立碇ありとして143日,立碇なしとして231日間観測した。その結果,立碇ありの網裾は,立碇なしに対して約1.6倍の流速に達するまで離底しなかった。さらに,立碇ありでの網裾の吹き上がり距離は,逆流15cm/s・順流20cm/s以上の時は,立碇なしに比べて3.5~15.2m小さかった。しかし流速25cm/s以上では,立碇の有無に関わらず垣網は大きく吹き上がった。従って,立碇は流速15~25cm/sの時に最も効果的に機能していると考えられた。