抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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囲碁はコンピュータにとって最も難しい完全情報確定ゲームであり,コンピュータ囲碁はようやくアマの高段者レベルに達したところである。本論文では,コンピュータがトッププロ棋士に勝つ日(Xディ)に向け,人工知能のよい研究対象としてのコンピュータ囲碁を展望した。まず,コンピュータ将棋の研究が日本国内にほぼ限定されるのに対し,中国,韓国,欧米でも囲碁が盛んなことから国際性が高く,存在する様々なルールに対応できるコンピュータ囲碁の開発が求められることを述べた。次に,チェスや将棋と同様に人工知能の題材として適する理由を示し,それらと違って場合の数が大きいので認知科学的な研究テーマとしても有効なことを論じた。コンピュータ囲碁はモンテカルロ法にUCT(Upper Confidence Bound Applied to Trees)を結びつけた手法によって並列化とも相性がよくなったが,Xディは2025年と想定して人間との共同によってさらに発展していくべきである。具体的には,1)新しい定石の人間とコンピュータによる研究,2)人間とコンピュータによる共同での囲碁打ち,3)コンピュータを用いた対戦相手の研究,4)コンピュータを用いた囲碁の普及が計画されていることを示した。