抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,地球温暖化現象やヒートアイランド現象が大きな社会問題となっている。そこで,既設の建物等に塗るだけで蓄熱が抑制できる太陽熱高反射塗料(遮熱塗料)が注目されるようになった。本文では,遮熱塗料のメカニズムや効果について紹介した。高反射機能を有する塗料の設計は,反射率の低い顔料を排し赤外線を効率良く反射させる顔料を主体に設計する。さらに,塗膜を透過してしまう赤外線を考慮して中塗塗料や下塗塗料にも上塗塗料と同様な顔料を採用して積層設計を施す。船舶向けとして各社から異なる樹脂系を用いた商品が市販されているが,日本ペイントマリン(株)はウレタン系樹脂を用いた遮熱塗料”エバクール”を導入している。適用部位は上甲板やPCC船のガレージトップ等である。実船での検証結果では,遮熱塗料の表面温度は,一般塗料の最高値が72°Cの時48°C程度でマイナス25°C程度の効果が認められた。また,居住区内部の温度は空調により一定であるが,塗膜表面温度が抑制されたことで空調に係る消費電力が削減され二酸化炭素の排出が抑制されたものと推測される。