抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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我が国では身近な小売店が閉店して中心市街地の空洞化が目立っている。さらに公共交通機関の衰退によって高齢者等で,日常的な買い物すら困難な「買い物難民」や「買い物弱者」の問題が顕在化している。本研究では,この問題の起点が住民と店舗の近接性にあり,住民の食料品へのアクセスが決定的に重要な問題になっているとして「食料品アクセス問題」と定義した。これまで食料品アクセス問題については地域,規模や範囲の全体像や発生原因,対策について明らかにされなかった。本稿では,まず各種統計データと地理情報システムを組み合わせた分析によって該当する人口や地域を特定して食料品アクセス問題の全体像を可視化した。次いで実際に食料品アクセス問題が発生している現場,即ち市町村における問題意識とそこでの取組みや対策を全国的な意識調査から探る。さらに定量及び定性的指標を組み合わせた包括的な分析によって,食料品アクセス問題を規定する地域の条件と市町村が重視する対策の関連を明らかにした。最後に,分析結果から得られた示唆と実際の取り組み事例を通じて,食料品アクセス問題の解決に必要な視点について提起した。