抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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南西諸島は,風力エネルギーを豊富に持つが,一方,台風被害が懸念されている。本研究では,日本の風状況に合わせて強度設計した耐風速の高い100kW風力発電機について報告した。特に,小規模離島では大型クレーンがなく発電電力MW級の大型風車の設置は困難であり,よりコンパクトな設備が望まれる。この100kW風力発電機用風車は10tトラックで輸送可能であり,50tクレーンと25m高所作業車で容易に設置できる。(株)酉島製作所では実証試験場として久米島を選定し,2009年月から常時運転を行なった。本稿では,実証実験場の概要およおび測定データを用いた風車の実証試験結果について報告した。実証試験場の風状況は良好で,夏季は平均流速がやや低いが,風向変化を伴う,一時的に強風が吹く期間があり,冬季は平気風速が高く北方向から突風率の低い風が吹くことが分かった。また,これまで台風を数回経験したが,特に大きな被害は発生しなかった。実証試験の結果,発電量については設計通り性能が得られることを確認した。また,本風車システムでは出力変動を抑制するため,キャパシタによる電力調整に加え,インバータを用いた発電出力制御にピッチ角制御を組み合わせた電力平準化システムを用いているが,この性能も確認した。
