抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,水素エネルギーを燃料電池として利用することが考えられている。水素ぜい化のメカニズムの解明において,格子欠陥近傍における水素拡散とそれによる水素濃度の偏りが一因と言われている。本研究では,格子欠陥としては,双晶境界および拡張転位構造を含んだニッケル原子構造を採用した。ニッケル双晶境界および拡張転位構造を含んだニッケル原子構造に水素原子を配置した場合,最安定構造と準安定構造が存在する。1つの準安定構造を経由する2つの最安定構造をイメージでつなぎ初期経路とし,Nudged Elastic Band法(NEB法)を用い,ニッケル原子構造による格子欠陥近傍における水素原子拡散素過程の最小エネルギー経路を求め,ミクロな拡散における活性化エネルギーの検討を行い,次の結果を得た。双晶境界近傍の結果より,双晶境界に隣接する経路では活性化エネルギーが高くなることから,双晶境界に隣接するサイトは原子は入り易く,存在し易く,また1度入ると出難いと考えられる。拡張転位構造近傍の結果より,拡張転位構造により母材原子密度が高い領域において,すべり面に垂直な[111]方向に対して活性化エネルギーを高くし,それに垂直な方向への影響は少ないことがわかった。