抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
各地域における伝統木造建築物の構法的特徴と構造特性を把握し,また伝統木造建築物の構造要素実験をはじめ実大静的・動的実験に基づいて,伝統的構法に特有の構造力学的課題を解明し,石場建て構法にも適用できる伝統的構法の設計法案が提案されている。ここでは石場建てを含む伝統的構法の木造建築物の工学的課題についても述べている。まず,伝統的構法木造建築物の建築基準法における位置付を述べ,伝統的構法の一般的特徴について,地域の気候・風土等に適応し木造文化とともに地位特有のまちなみを形成していること,自然素材で構成され優れた室内環境を作ること,建設時解体時のエネルギー消費が極めて少なく環境への負荷を軽減していること,長期寿命の実績を有する唯一の構法であること,温熱環境・調湿機能があること,伝統的な技法・技術と職人の育成に役立つこと等を挙げている。また伝統的構法木造建築物の耐震性能評価法について述べ,伝統的構法の設計法の構築に関し,標準設計法,詳細設計法,汎用設計法を示している。そして,伝統的構法で特に石場建てに特有の構造力学的な課題をついて,石場建ての柱脚の移動,水平構面の剛性と偏心を考慮した設計に関連する課題,上下階のバランスを考慮した設計に関連する課題,設計用復元力に関連する課題,限界層間変形角(損傷限界層間変形角・安全限界層間変形角)の検討,小壁付き柱や通し柱の折損に関する課題について説明している。