抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東日本大震災は,その地震の規模が事前に想定されていなかったこと,また,豊富な観測網を持ちながらこれだけの巨大地震の前兆を捉えることができなかったという点において,従来の被害想定の考え方を根本から揺るがす衝撃的な出来事であった。本稿では,各種被害想定,耐震性評価などの基礎情報となる地震動の評価に焦点を当て,東日本大震災前後の地震動評価(想定)の変化について述べる。以下,東日本大震災の地震像,震災以前の想定,現在の地震動想定について(南海トラフの巨大地震,最新知見の反映)等の項目で説明している。今後,「想定外」を無くするためにどうしていくべきか,ハード,ソフト両面から検討が続いている。本稿で紹介した南海トラフの地震については,現在の科学の限界も正面から捉え,今考えられる最大の想定を行い今後の防災対策のベースとして示している。これらに対し,できる限りの対策を行うのはもちろんのこと,対策において行った想定は,その科学的・技術的限界も含めて価値がある。それらの情報をなるべく公開し,その価値やリスクを国民全体で共有することが,より安全な社会に向けた一歩となろう。