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J-GLOBAL ID:201302285837189941   整理番号:13A1583792

微生物叢が遊離させた宿主の糖は腸内病原菌の抗生物質投与後の増殖を促進する

Microbiota-liberated host sugars facilitate post-antibiotic expansion of enteric pathogens
著者 (11件):
資料名:
巻: 502  号: 7469  ページ: 96-99  発行年: 2013年10月03日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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常在微生物群集が高密度に定着しているヒトの腸は,頻繁に病原菌の標的となる。この腸内微生物叢は,通常の状態のままであれば,細菌性病原体を防御する。逆に,抗生物質の経口投与によって微生物叢が破壊されると,しばしばその後に数種の腸内病原菌が出現する。微生物叢による防御の破綻を病原菌が利用する仕組みはほとんど分かっていない。本論文では,2つの抗生物質関連病原菌[ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)およびディフィシレ菌(Clostridium difficile)]が腸内で増殖する際に,微生物叢が遊離させた粘膜の糖質を異化するという共通の戦略を用いていることを示す。ネズミチフス菌は,微生物叢依存的に腸管腔内のフコースとシアル酸を利用しており,これらのそれぞれの異化経路を遺伝学的に除去すると,in vivoでの競争力が低下する。同様に,ディフィシレ菌の増殖は,in vivoでの微生物叢誘導性のシアル酸レベルの上昇によって促進される。腸内共生のモデル生物であるBacteroides thetaiotaomicronのシアリダーゼを欠損する変異株を定着させたノトバイオートマウスでは遊離シアル酸レベルが低下しており,そのため,ディフィシレ菌のシアル酸異化経路の下方制御が引き起こされ,増殖が抑えられた。これらの影響は,遊離シアル酸を含む食餌を外部から与えることによって逆転する。さらに,通常飼育マウスに抗生物質を投与すると,遊離シアル酸の急激な増加が起こるが,ネズミチフス菌およびディフィシレ菌のシアル酸を異化できない変異株はどちらも増殖が阻害される。今回のデータは,抗生物質による常在微生物叢の破壊と,その後の粘膜糖質の利用可能性の変化を,これらの遠縁の2つの腸内病原菌が同様の方法で利用していることを示している。この知見は,抗生物質関連病原菌によって起こる疾患を予防するための新しい治療手段を示唆している。Copyright Nature Publishing Group 2013
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