抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,人類の歴史において重要な役割を果たしてきた紙という素材と人の創造的な関係性を保持しつつ,コンピュテーションによるダイナミックな表現を融合する新たな表現のビジョン”Material Syncretism”を提案した。紙とコンピュテーションの調和をインクによって実現するものとし,導電性インクや温度によって色彩が変化するサーモクロミックインクを用い,1)色彩制御技法,2)表示制御技法を開発した。1)は紙の表面に28~32度の温度域で色彩変化が起こる液晶インクによる変色層とその発色を可視化する黒層,裏面に導電性インクを用いた発熱層と回路層を持ち,ダイナミックな色彩変化を可能にする。2)は感温インクによって下絵を隠蔽する消色層を裏面に配置した発熱層と回路層で制御し,出現と消滅という情報表示をダイナミックに行う。1),2)を応用した表現として,i)蘇生する蝶を題材とするインタラクティブな絵画作品”Anabiosis”,ii)色彩のアニメーション”Constellation”,iii)1ページに異なるストーリーを埋め込んだ絵本”Storytelling”,iv)日本の風土が醸成した無常観の表現”Transience”を紹介した。それらの展示を行って得られた鑑賞者の反応を考察し,高い芸術性を保持する表現を実現できることを示した。