抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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重力濃縮法は古くから用いられている濃縮手法であり,機構・構造がシンプルで消費動力が非常に少ないという特長を有している。1980年代には理論的な解析や大都市における運転事例が報告され,当時の知見が現在の下水道施設計画・設計指針に生かされている。しかしながら,重力濃縮法の運転は必ずしも安定しているとはいえない。土木研究所では1993年より下水汚泥の濃縮機構に関する研究を行っており,重力濃縮の機能改善手法としてピケットフェンスを進化・発展させた「みずみち棒」を開発した。2012年2月現在,この技術を導入した重力濃縮槽が全国11処理場,13槽で稼働している。本稿ではみずみち棒の位置づけを明確にするために重力濃縮の現況と歴史についてレビューすると共に,みずみち棒を導入した重力濃縮槽の現状,導入効果,および導入コストについて,全国での比較検討を行った。その結果,多くの処理場で汚泥の沈降性が改善しており,引き抜き汚泥濃度の増加や使用電力量の減少などの定量的効果,およびスカムの減少といった定性的な効果が確認された。(著者抄録)