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J-GLOBAL ID：201302286678347960   整理番号：13A1154733

道管圧の変化が根系機能に与える影響を探る-正・負の加圧実験の出来る根電位測定系の開発と展望

A new method to explore the effects of change in xylem pressure on the root function

著者 (2件)： 岡本尚 (森・植物生理研究室) ,  正木伸之 (正木樹芸研究室)
資料名： 根の研究  (Root Research)
巻： 22  号： 2  ページ： 75-80  発行年： 2013年06月20日 
JST資料番号： L2698A  ISSN： 0919-2182  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 筆者は野外のカキノキ根系の生理活性,および地上部との相互作用の観測結果から,樹木における水の上向き能動輸送を担う根系道管側プロトンポンプの活性を制御する地上部からの信号のひとつは,蒸散作用の影響下にある道管圧である可能性を示唆している(岡本,2010)。この仮説の当否を検証する為に,著者らは苗木の幹の切断端から根系の道管に任意の水圧をかけ,根電位の変化が起きるかどうかを実験室内で計測できる装置を開発した。10~80kPaの正の水圧を加えた時,正方向に20~160mVの根電位の変化が可逆的に起きる事を数種類の樹木の苗木で確認した。活動電位やvariation potentialのような一過性の変化ではなく,加圧中継続する静止電位のシフトである事,変化の方向が正であることから,道管側の起電性プロトンポンプの活性化であると考えられる。この反応はプロトンポンプの特異的阻害剤であるDCCD(5×10^-4M)によって大幅に阻害された。今のところ負の水圧による根電位変化は観測されていない。(著者抄録)

シソーラス用語： カキノキ属 ,  *ミズナラ ,  クスノキ科 ,  *根 ,  道管 ,  水圧 ,  プロトンポンプ ,  電気測定 ,  電位 ,  苗木 ,  樹木
準シソーラス用語： タブノキ ,  電位測定

分類 (1件)： 植物生理学一般  (EH02010Y)

引用文献 (5件)：

• MASAKI, N. Correlation between the seasonal changes in electrogenic activity across root xylem/symplast interface, sap-flow rate and xylem pressure in field trees (Diospyros kaki). Trees : Structure and Function. 2007, 21, 433-442
• MASAKI, N. Demonstration of the root surface electrogenic ion pump activity revealed from the seasonal inversion in the phase relation between electro-radicogram and the diurnal oscillation of air temperature in a field tree (Diospyros kaki). Trees : Structure and Function. 2009, 23, 473-478
• OKAMOTO, H. A new method in growth electro-physiology : pressurized intra-organ perfusion. Plant Cell Environ. 1984, 7, 139-147
• 岡本尚. 野外のカキノキから学んだ15年〜エレクトロニクスを対話の手段として. 根の研究 (Root Research). 2010, 19, 3, 103-115
• SHIMMEN, T. Studies on mechanoperception in the Characeae : transduction of pressure signals into electrical signals. Plant Cell Physiol. 2003, 44, 1215-1224

タイトルに関連する用語 (9件)： 道管 ,  圧 ,  根系 ,  加圧 ,  実験 ,  根 ,  電位測定 ,  開発 ,  展望