抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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フェライト系ステンレス鋼では,Ti量やN量を増やし,溶鋼中のTiNの生成量を増加することは,鋳片の等軸晶を増やすための有効な手段である。しかし,Tiは材質やコストの観点から添加量が制限される場合も多い。本研究では,11Crフェライト系ステンレス鋼(11Cr-0.13Ti-0.08N)についてTiと強い正の相互作用を有するSi添加に着目して,溶鋼中Si濃度と凝固組織との関係を実験的に調査し,併せて,TiN生成に及ぼすSi濃度の影響を検討した。また,伝熱凝固計算により,溶鋼中の凝固開始前のTiN生成が,柱状晶からの等軸晶遷移に及ぼす影響を解析した。Si濃度は0.10,0.46,1.01mass%の3水準とし,鋳型に鋳込んだ。縦断面の凝固組織から,等軸晶率や等軸晶の平均径,柱状晶幅を光学顕微鏡により測定した。以下の知見を得た。1)11Crフェライト鋼では,溶鋼中Si濃度の増加ともに鋼塊の等軸晶率が増加した。2)これは,熱力学的による核生成サイト数の推算の結果から,Siが溶鋼中のTiの活量を高め,凝固開始前に溶鋼中に生成するTiN量が増加するためであることが示唆された。