抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
静岡県における導入天敵と伝統的生物的防除法の歴史等を紹介する。初めに,明治以降の日本への侵入害虫と天敵導入の歴史を概観する。静岡県が導入しようとした天敵を3種紹介する。天敵を導入しようとする場合はその天敵が有害動物に該当しないことを証明する必要がある。ヤノネカイガラムシは長崎県で1897年頃から被害が認められ,その後急速に全柑橘産地に拡大し最重要害虫となった。1980年,静岡県と農水省は中国四川省で天敵調査を行い,ヤノネキイロコバチとヤノネツヤコバチの2種を導入,放飼を開始した。今では全国の柑橘栽培地域に定着し,導入後20年を経過した2000年にはヤノネカイガラムシは発生予察事業の指定外病害虫となった。天敵の経済効果は薬剤防除削減を1回としても全国で43億円/年になり,効果は永続的に続く。天敵導入による防除の変遷を振り返ると導入天敵の効果の大きさが分かる。