太陽表面で磁場が消失する機構を考察することを目的として,黒点崩壊領域の磁場の強度と磁場周囲のプラズマ加熱の有無を調べた。波長543.4nm付近の複数のスペクトル線(Ni I 543.5855nmとFe I 543.6587nm)で太陽黒点(活動領域)を観測し,スペクトル線のドップラー幅,磁場,速度場,明るさの間の関係を,1998年と2000年に調べた。1)磁場が強いところではドップラー幅は狭い,2)連続光強度とドップラー幅の間に正の相関があるように見える,ということが両年の観測結果に共通して見られた。ドップラーシフトは一部の例外を除いて他の物理量との明確な相関は見られなかった。加熱あるいは微小乱流が生じていることを示唆する観測結果などが得られた。