抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,本船の離着岸操船時における曳船の体勢移行時間,曳船の返答と実際の行動との時間差を求めることにより,水先人がその時間差を考慮しながら,安全な時機にタグ号令が発令できる環境を整える一助となることを目的とした。得られた結論は次の通りである。1)「体勢-体勢移行時間」が大きい順に「引き方用意→押せ」,「押し方用意→引き方用意」,「押し方用意→引け」,「引き方用意→引け」,「押し方用意→押せ」となった。2)「体勢-体勢移行時間」は,「押し方用意→押せ」の場合は本船の速力の影響を受けず,その他の「体勢-体勢移行時間」は,本船の速力が大きい程時間を要する。3)押し又は引き体勢への「体勢-体勢移行時間」は,曳索の長さが長くなるに従い,時間を要している。4)「返答-体勢移行完了時間差」が大きい順に「引き方用意→押せ」,「押し方用意→引き方用意」,「押し方用意→引け」,「押し方用意→押せ」及び「引き方用意→引け」となった。5)引き作業時,本船が前進方向に速力を有している場合,曳船と本船の「船首尾線交角」は90°を閾値として小さくなり,本船が後進方向に速力を有している場合,「船首尾線交角」は大きくなる。また,押し作業時は引き作業時の逆になる。