抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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多項式時間で計算が可能な問題の集合であるPと多項式時間での計算が不可能であると予想されているNPとの非等価性(P≠NP)を証明するための有力候補の一つとして,論理回路の計算限界が研究されている。NPに属する問題に対して,その問題を表す論理回路を構成するために必要となる素子数を多項式個以内に抑えるような効率的な方法が存在しないことを証明できれば,P≠NPが導けることが知られている。そこで,様々な制限を付けた回路や逆に能力を拡張した回路を利用して,道筋を切り開くための道具を開発しているのが論理回路の計算限界に関する研究動向である。本稿では,このような,計算において可能性と限界の探究は表裏一体であるといった考え方に基づいて,線形計画法の線形緩和・双対定理を利用した計算限界解析法の一例について解説した。線形計画法を利用した下界証明手法は様々な計算限界解析に応用可能な考え方であり,更なる研究の深化が望まれる。