抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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より安全,快適,省エネな自動車の要求が高まっており,自動車制御系の計算負荷が増大している。これに伴い,制御用プロセッサコアに高い性能が求められるが,動作周波数の向上によるプロセッサコアの高性能化が困難となっており,マルチコアへの移行が求められている。しかし,エンジン制御におけるマルチコア利用においては手動によるプログラムの並列化が困難で,処理性能,並列化に伴うコスト,期間等が問題となっている。本稿では,これらの問題を解決し,従来シングルコアのみで動作していた自動車エンジン制御ソフトウェアをマルチコア上で並列化する手法を提案する。具体的には,自動車エンジン制御Cプログラムに対し,より多くの並列性を抽出するため,関数のインライン展開および条件分岐の複製等,逐次プログラムのリストラクチャリングを行った後,OSCAR自動並列化コンパイラにより自動並列化を行う。その結果,従来タスクの粒度が細かく,手動での並列化が困難であった自動車エンジン制御ソフトウェアを,組込用マルチコアRP-X上で2コアを用いて並列実行したところ,1コアに対して1.71倍の速度向上を得ることに成功し,自動車エンジン制御ソフトウェアのマルチコア上での並列処理が有効であることを確認した。(著者抄録)