抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は,観光が政治を変えることに関し,国,自治体,市民の役割について報告した。先ず,我が国における観光と政治の関係は三つの時期があり,第一は,観光をめぐる問題が潜在的であった時期,第二は,観光をめぐる政治が展開されるようになった時期,第三は,2003年以降の観光が国の政治の大きな課題のひとつになった時期であることを報告した。次に,第一期に関し,明治時代から1960年代前半頃までの時期で,工業立国,貿易立国を最優先させる勢力は,都合の悪い観光関連の問題が政治問題化しないように封じ込めてきたことを報告した。更に,第二期に関し,観光開発とは何かという問題を提起したこと,観光をめぐる政治は,参加民主主義のスタイルで展開されたこと,観光にとって中央集権体制はのぞましくなかったことを報告した。加えて,第三期に関し,2003年の小泉首相の観光立国宣言から始まって,観光立国懇談会報告書(2003),観光立国行動計画(2003),観光立国推進基本法の制定(2004)という一連のプロセスに,政府観光政策のあざやかな転換を見ることができること等を報告した。最後に課題として,良好な景観,魅力的な観光ができるかどうかは,我々国民の景観に対する意識次第であること,屋外広告物についても,国民の意識が高まることで,事業者の意識改革も進んでいき,自発的協力を得ることができること,観光立国にふさわしい社会関係資本の形成が求められることを報告した。