抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,高い引張強度を有する超高強度繊維補強コンクリート(UFC)が開発され,土木学会(JSCE)によってUFCの設計・施工指針案が発刊されたことで,UFCの適用事例数が増加している。UFCは,引張強度が高いことで,鉄筋を使用しないコンクリート構造の設計を可能にした独自のセメント系複合材料であり,一般的なコンクリートにくらべて非常に高い耐久性を有している。UFCは,セメント,シリカフューム,珪石微粉末,珪砂などを最適に配合したプレミックス粉体に,水,高性能減水剤とともに短繊維を分散させた材料である。なお,短繊維には,鋼繊維(直径0.2mm,長さ15mm)を体積で2%混合することが標準である。ここで,UFCの表面汚染が問題になることがある。これは表面に露出した鋼繊維の腐食によって引き起こされるものである。また,UFCにひび割れた部分においては,ひび割れで架橋した鋼繊維の腐食が生じることも予想される。これらの問題を解決するため,本研究では,集束型ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)繊維のような極めて高い強度と高い弾性を有し,耐腐食性をもつ有機繊維のUFCに対する適用性を検討した。本研究で得られた主要な結果は,(1)集束型PBO繊維を用いることでUFCの引張強度ならびに曲げ強度が増加すること,(2)集束型PBO繊維を混入したUFCの収縮は,鋼繊維を混入したUFCの場合と同等であること,および(3)集束型PBO繊維を用いることでUFCの破壊エネルギーならびにすりへり抵抗性は若干低下すること,などである。(著者抄録)