抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ハマボウフウ種子の発芽に及ぼす低温湿潤処理,光,温度,貯蔵,果皮,埋土深の影響ならびに胚生長のための温度条件を明らかにすることを目的とした。採取直後の種子は,明,暗の光条件に恒温,変温を組み合わせたいずれの区でも2%以下の発根率であった。低温湿潤処理によって明,暗両区の10~20°Cで約50%の発根率を示したが,明区でわずかに発根率が高まる傾向が認められた。乾燥5°Cで貯蔵した種子は12か月後でも貯蔵前と同等の発根率を維持した。果皮の有無は発根に影響を及ぼさなかった。地表面下2cmまたは5cmに埋土した種子は約60%が出芽したが,15cmでは16%の出芽に留まり,48%が腐敗し,残りの未発芽種子のうち70%が発根能力を有していた。種子散布時の胚長は,発根時の胚長の13%であったが,雪解け後の気温の低い春に生長して,発根,出芽した。このことから,ハマボウフウの種子は形態生理的休眠のうちintermediate complex MPDを有していると判断された。また,播種や育苗の際には,果皮を除去する必要がないこと,低温湿潤処理が必要なこと,埋土深は5cm程度が望ましいことが示された。(著者抄録)