文献

J-GLOBAL ID：201402203094704499   整理番号：14A0073922

マンゴー炭疽病菌の薬剤感受性および薬剤体系散布の防除効果

著者 (3件)： 澤岻哲也 (沖縄県農業研究セ) ,  田場聡 (琉球大 農) ,  諸見里善一 (琉球大 農)
資料名： 熱帯農業研究  (Research for Tropical Agriculture)
巻： 6  号： 2  ページ： 81-88  発行年： 2013年12月01日 
JST資料番号： L6894A  ISSN： 1882-8434  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： マンゴー炭疽病に有効な薬剤防除体系の確立を目的に,病原菌に対する登録薬剤の感受性および果実肥大期の薬剤散布による防除効果と薬害の有無を評価するとともに,数種薬剤を組み合わせた体系散布の防除効果について検討した。2種炭疽病菌Colletotrichum gloeosporioidesおよびC.acutatumの分生子発芽および菌叢生育に対する5種登録薬剤の感受性を調べた結果,マンゼブ水和剤,キャプタン水和剤,クレソキシムメチルドライフロアブルおよびアゾキシストロビンフロアブルの4薬剤で高い抑制効果が認められた。一方,イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤では2種菌株間で感受性の差異が認められ,C.gloeosporioidesに対する分生子発芽抑制は示すが,C.acutatumに対する発芽制御はみられなかった。2008年に果実肥大期の薬剤散布による防除試験を行った結果,クレソキシムメチルドライフロアブルおよびアゾキシストロビンフロアブルで防除効果が認められ,収穫5日後の炭疽病の発病率は無散布と比較して約41~54%まで抑制された。また,2薬剤ともに果実の薬害はみられなかった。一方,キャプタン水和剤の防除効果は認められず,果皮には薬液による斑点症状が確認された。2009年と2010年に出蕾前(12月下旬)から収穫前(6月下旬の袋かけ前)にかけて4薬剤を組み合わせた体系散布を2圃場で実施したところ,高い防除効果が認められ,収穫5日後の炭疽病の発病率は無散布と比較して約76~96%まで抑制された。また,体系散布による果実の薬害は認められなかった。2カ年4試験事例のメタ・アナリシス解析により,体系散布区の炭疽病の発生は無散布区に比べて有意に減少し,無散布区の発病率の約12%に抑制された。以上の結果より,本体系散布はマンゴー炭疽病の防除法として有効であると考えられる。(著者抄録)

シソーラス用語： *植物病害 ,  *メタ分析 ,  *マンゴー ,  *炭疽病【植物】 ,  Colletotrichum ,  *薬剤感受性 ,  効果 ,  *防除 ,  農薬散布 ,  *果実【器官】 ,  成長段階 ,  薬害 ,  分生子 ,  発芽 ,  *殺菌薬 ,  罹患率 ,  果皮 ,  脂環式化合物 ,  有機塩素化合物 ,  オレフィン化合物 ,  酸イミド ,  有機硫黄酸 ,  有機硫黄化合物 ,  ジアミン
準シソーラス用語： Colletotrichum acutatum ,  Colletotrichum gloeosporioides ,  アーウィン ,  *メタアナリシス ,  果実肥大期 ,  菌叢生育 ,  *殺菌剤 ,  *貯蔵病害 ,  発病率 ,  分生子発芽 ,  *防除効果 ,  薬剤防除

分類 (4件)： 果樹  (FC03042G) ,  菌類による植物病害  (FC04052Y) ,  化学的防除  (FC05050X) ,  微生物に対する農薬  (FB06040Q)

物質索引 (5件)： イミノクタジンアルベシル酸塩 ,  キャプタン ,  マンゼブ ,  クレソキシムメチル ,  アゾキシストロビン

引用文献 (29件)：

• Arauz, L. F. 2000. Mango anthracnose: Economic impact and current options for integrated management. Plant Dis. 84: 600-611.
• Dodd, J. C., A. B. Estrada, J. Matcham, P. Jeffries, and M. J. Jeger 1991. The effect of climatic factors on Colletotrichum gloeosporioides, causal agent of mango anthracnose, in the Philippines. Plant Pathol. 40: 568-575.
• Estrada, A. B., P. Jeffries, and J. C. Dodd 1996. Field evaluation of a predictive model to control anthracnose disease of mango in the Philippines. Plant Pathol. 45: 294-301.
• Fitzell, R. D., C. M. Peak, and R. E. Darnell 1984. A model for estimating infection levels of anthracnose disease of mango. Ann. Appl. Biol. 104: 451-458.
• 深谷雅子・高橋 功 1999.ブドウ晩腐病に対するストロビルリン系薬剤の防除効果と使用時期.北日本病虫研報50: 100-103.

タイトルに関連する用語 (8件)： マンゴー ,  炭疽病 ,  菌 ,  薬剤感受性 ,  薬剤 ,  体系 ,  散布 ,  防除効果