抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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人は,摂取した栄養分をATP(アデノシン3リン酸)という有機化合物に変えて必要なエネルギーとしている。このATPの分解により,各細胞の収縮活動や生体構成物質の合成などの重要な活動のエネルギーとして供給される。人の基礎代謝量は約70Wであるが,摂取する食物からは,その約2倍のエネルギーを消費しており,さらに社会として消費している食糧以外のエネルギー消費は5000Wを超えている。現代の人類は,移動の高速化,情報の獲得,医療の充実など,エネルギーを利用して様々な能力を獲得してきた。寿命の50年が80年になり30年の時間を得たように,エネルギーは人類にとって効果的に活用されているように思える。生物として生きる形態を,環境まで一定に制御して,活動を安定化しようとしたことで,大きな変化を生んでいるのが現代社会であろう。エネルギーを食いつぶさない限り,この社会は成立するが,環境を支配しているつもりの現代人類は,制御できない環境の大きな変化に悩まされつつあることも忘れてはならない。