抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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脂環式エポキシ樹脂をこれと相溶性の高いポリビニルホルマール樹脂で変性することによって,均一な相構造及び透明性を保ったままで強靭性を改善することを試みた。その結果,変性剤の添加が30wt%以下の硬化系は,黄色から褐色に着色するが,いずれも均一構造を持ち,透明な硬化物を与えた。また,変性剤を10wt%添加した硬化系は,200°C以上のガラス転移温度を保ったまま,未変性系と比較して,約3倍の破壊エネルギーを示し,K
ICの値も約1.3倍に向上した。力学試験後の破断面の原子間力顕微鏡観察により,変性剤を添加した系は未変性系と比較して,ミクロゲルと考えられる凹凸サイズが大きくなり,その境界が不明瞭になるのが観察された。これは,変性剤の添加が,ミクロゲル化を阻害したためであると考えられる。また,変性剤の分子量を増加させても透明な硬化物は調製できたが,低分子量の変性剤を添加した系と比較して破壊エネルギーの減少が観察された。これは,ポリビニルホルマール樹脂の分子量の増加に伴い,脂環式エポキシ樹脂との相溶性が低下し,エポキシネットワーク中での分子鎖の拡がりが小さくなるため,ミクロゲル化の抑制効果が低下したことによると考えられる。(著者抄録)