抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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通常の銀河中心は超大質量ブラックホール(BH)であると考えられているが,初期宇宙で生成され,現宇宙の2つの異なる領域をつなげる,あるいは多元宇宙論における異なる2つの宇宙をつなげるワームホール(WH)である可能性が残されている。実際,これらの超大質量オブジェクトはよく理解されていないし,WHのような非自明な構造は一般相対論および修正重力のどちらの理論にも存在し得て,かつ現在の観測ではその存在が排除されていない。数年のうちに,VLTI装置GRAVITYにより,銀河系の超大質量BHの候補であるSgrA
*の最深安定円軌道近くのプラズマ軌道周回ブロッブの像が得られるかもしれない。これらのデータは,このBHの影の最初の検出以前に得られる。WHの光子捕獲球の半径がBHのそれよりもずっと小さく,その2次像が劇的に異なり,またその半径はホットスポット模型に依存していないため,コンパクト天体近くのホットスポット軌道周回の2次像の検出により,SgrA
*がBHでなくWHであるという可能性をあいまいなくテストできるかもしれない。そのためには,高い信号対雑音比の非常によいデータが必要であるが,不可能ではない。また,模型依存性は入るものの,ホットスポット光曲線およびホットスポット重心軌道に特徴的差が現われる。この論文で用いたホットスポット模型はあまりに簡単過ぎ,実際のデータからこれらの特徴によりWHとBHを区別するには,より洗練された現実的模型に基づいた研究が必要である。