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J-GLOBAL ID：201402207394858353   整理番号：14A0618300

ホウレンソウ栽培ハウス土壌におけるホウレンソウケナガコナダニTyrophagus similis Volgin(Acari: Acaridae)の藻への定着性

The Colonization of Tyrophagus similis Volgin (Acari: Acaridae) on Soil Algae in a Spinach Greenhouse

著者 (5件)： 本田善之 (山口県農林総合技術センター) ,  清水佐知子 (広島県立総合技術研究所農業技術センター) ,  半田信司 (一般財団法人広島県環境保健協会) ,  笠井敦 (京都大学大学院農学研究科) ,  天野洋 (京都大学大学院農学研究科)
資料名： 日本応用動物昆虫学会誌  (Japanese Journal of Applied Entomology and Zoology)
巻： 57  号： 4  ページ： 235-242 (J-STAGE)  発行年： 2013年 
JST資料番号： F0918A  ISSN： 0021-4914  CODEN： NIPTAR  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： ホウレンソウ産地では,施設栽培下におけるホウレンソウケナガコナダニ(Tyrophagus similis Volgin;以下コナダニと略)の被害が近年拡大し,安定的な生産に支障をきたしている.本種はなたね油かすや乾燥酵母を餌として好むが,実際の土壌中での発生要因には不明な点が多い.本稿ではハウス土壌表面に発生する藻類に注目し,コナダニの定着性や定着条件についての観察から,本種の発生生態に関して若干の知見が得られたのでここに報告する.土壌を構成する主要な有機物に分けてコナダニ定着数を調べた結果,藻類に有意に多く定着が認められた.この現象が単に藻類が含む水分だけによるものではないことは,水分を保持した濾紙と藻類との比較試験で確認された.また,藻が繁茂した土壌では,藻を除去した土壌に比べ,コナダニの密度が大幅に増加することが確認された.コナダニは藻類の種類によって定着性が異なり,ボトリディオプシスやプロトシフォンなど粒状の藻類を好み,糸状のクレブソルミジウムではやや嗜好性が劣ると考えられた.また,湿度条件を変えた環境では,高湿度条件でのみコナダニの藻への定着が多かった.ハウスにおける藻類へのコナダニの定着は,湿度95% RH以上の高湿度になる降雨や灌水後の夜間から早朝にかけてと考えられた.ハウス土壌で発生する藻類はコナダニの餌として作用し増殖源となるため,土壌に発生する藻類を制御することで,コナダニによる被害を抑制できる可能性が示唆された.(著者抄録)

シソーラス用語： *コナダニ科 ,  ホウレンソウ ,  ハウス栽培 ,  *畑地土 ,  *ビニールハウス ,  *発生生態 ,  *定着 ,  *藻類 ,  嗜好性 ,  生息場所 ,  湿度 ,  生物分類 ,  同定 ,  土壌有機物 ,  土壌分析 ,  水分依存性 ,  顕微鏡観察 ,  緑藻類 ,  生息密度 ,  害虫 ,  飼料 ,  害虫防除 ,  酵母製品 ,  観察 ,  生物相互作用 ,  土壌生物
準シソーラス用語： Botrydiopsis ,  Klebsormidium ,  Protosiphon botryoides ,  クレブソルミジウム ,  プロトシフォン ,  *ホウレンソウケナガコナダニ ,  ボトリディオプシス ,  餌 ,  乾燥酵母 ,  行動観察 ,  種同定 ,  生息場所嗜好性

分類 (3件)： 昆虫・ダニによる植物被害  (FC04072U) ,  土壌生物  (FB04050N) ,  生態学一般  (EE01010I)

引用文献 (13件)：

• Bischoff, H. W. and H. C. Bold (1963) Phycological studies. IV. Some soil algae from enchanted rock and related algal species. Univ. Texas Publ. 6318: 1–95.
• Denmark, H. A. and J. P. Woodring (1965) Feeding habits of Hemileius new species (Acari: Cryptostigmata: Oribatulidae) on Florida orchids. The Fla. Entomol. 48: 9–16.
• Fain, A. and G. Fauvel (1993) Tyrophagus curvipenis n. sp. from an orchid cultivation in a greenhouse in Portugal (Acari: Acaridae). Int. J. Acarol. 19: 95–100.
• Hoffmann, L. (1989) Algae of terrestrial habitats. Bot. Rev. 55: 77–105.
• 春日志高・天野 洋 (2000) 管理戦略の確立へ向けたケナガコナダニ属のホウレンソウ加害実態調査.日本ダニ学会誌9: 31–42. [Kasuga, S. and H. Amano (2000) Survey for the genus Tyrophagus and its damage in spinach crop with a view to develop its pest management strategy. J. Acarol. Soc. Jpn. 9: 31–42.]

タイトルに関連する用語 (8件)： ホウレンソウ ,  栽培ハウス ,  土壌 ,  ホウレンソウケナガコナダニ ,  Acari ,  Acaridae ,  藻 ,  定着性