抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高レベル放射性廃棄物の処分坑道の力学的安定性の評価の対象とする期間は,建設・操業時はもとより,閉鎖後千年程度についても要求されることが考えられる。岩盤は,クリープや応力緩和などの時間に依存した,いわゆる粘弾性挙動を示すことが知られており,ゆえに長期的な挙動を把握することは処分坑道の力学的安定性評価における課題と言える。岩盤は,断層や節理などの様々なスケールの不連続面群と鉱物を非均質に内包した複合材料であり,結晶質岩についてミクロな視点で岩石をみると,個々の結晶粒子と粒界および粒子内における微視亀裂の集合体である。結晶質岩の変形・破壊に関わる時間依存性挙動を含む力学的な挙動は,個々の結晶の形状・物性に基づく変形挙動と粒界および鉱物粒子内の微視亀裂の進展による変形挙動に起因している。石英や長石等のケイ酸塩鉱物を主成分とする岩石の破壊と,それに伴う亀裂の進展の機構については,1970年代から力学的要因のみならず化学的要因と結び付けて研究がなされている。このように岩盤の長期挙動の研究では,応力と化学反応が連成した現象を理解することが重要である。そこで本研究では,以下の項目について研究を行った。(1)非線形破壊力学の解説。(2)石英の圧力溶解現象に関する室内実験。(3)石英の溶解速度式の導出に関する理論的研究。(4)亀裂性岩盤を対象とした均質化理論の構築。(1)では,非線形破壊力学におけるJ積分について解説した。(2)では,室内実験を実施しデータを蓄積した。(3)では,石英の溶解速度式を新たに提案した。(4)では,亀裂性岩盤に適用可能な線形弾性問題の定式化を検討した。(著者抄録)