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J-GLOBAL ID:201402213484693361   整理番号:14A1229900

高脂肪食を介するディスバイオーシスが,肥満とは独立に腸のがんの発生を促進する

High-fat-diet-mediated dysbiosis promotes intestinal carcinogenesis independently of obesity
著者 (28件):
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巻: 514  号: 7523  ページ: 508-512  発行年: 2014年10月23日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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肥満や身体活動の少なさなど,西洋型の生活様式に共通するいくつかの特徴は,胃腸のがんの危険因子であることが知られている。また,食餌が腸管微生物相の組成に大きく影響することを示唆する証拠も多い。さらに,ディスバイオーシス(腸内微生物相のバランス異常)とがんの発生を結び付ける明白な証拠もある。しかし,高脂肪食(HFD)を介する微生物集団の変化が消化管の発がんの程度に影響する仕組みはまだ解明されていない。今回我々は,HFDが,遺伝的に感受性の高いK-rasG12Dintマウスの小腸の腫瘍のプログレッションを,肥満とは独立に促進することを明らかにした。HFDの摂取がK-rasの変異と合わさると,腸管微生物相の組成が変化する。そしてこの変化が,パネート細胞を介した宿主の抗微生物防御の低下につながり,消化管関連リンパ系組織における樹状細胞の動員やMHCクラスII分子の抗原提示がうまく起こらなくなる。HFDを摂取したK-rasG12Dintマウスに酪酸塩を投与すると,消化管関連リンパ系組織での樹状細胞の動員が正常化し,腫瘍のプログレッションが低下した。パターン認識受容体やToll様受容体のシグナル伝達アダプターであるMYD88の欠損により,腫瘍のプログレッションが阻害されることは重要である。腸に腫瘍のあるHFD摂取マウスから糞試料を健康な成体K-rasG12Dintマウスに移すだけで,HFDを摂取させなくても腫瘍発生効果は伝播される。さらに,HFDが誘発する腫瘍のプログレッションは抗生物質投与によって完全に阻害されるので,微生物相の独特な変化は腫瘍の悪化に極めて重要な役割を果たしていると考えられる。総合するとこれらのデータは,発がんの起こりやすい微生物相の選択に,宿主側の要因と環境因子との相互作用が重要であることを明確に示しており,また遺伝的素因のある個体間では,腫瘍形成に感染性があることをも示唆している。Copyright Nature Publishing Group 2014
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分類 (2件):
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発癌機序・因子  ,  腸 

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