抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,トラック運送業界の労働力不足の現状と対策について述べる。1)労働力不足の現状:アベノミクス効果による経済活動の活性化に伴い,様々な業種で労働力不足が叫ばれているが,とりわけ,典型的な労働集約型産業であるトラック運送業界において,労働力不足は極めて重大な問題である。また,男性の中高年層を主要な労働力としてきたことと,不規則な就労形態や長時間拘束,低賃金といった厳しい労働環境も相まって,若者や女性の就労割合が非常に低い。こうしたことから,ベテランの現役世代が一線を退く今後数年のうちに深刻な労働力不足に陥る危険性が高いと見られ,2015年度の時点で約14万人のトラック運転者が不足する可能性があると予測されている。2)対策1 モーダルシフトの推進:モーダルシフトは,長距離輸送をトラックから船舶・鉄道に切り替えるものである。近年,トラック不足に対応するため,モーダルシフトを導入する荷主が増えている。これに対し,海運会社やJR貨物も輸送力を増加させている。3)対策2 労働力確保への試み:優良なトラック運転手の確保・育成をめざして,東京都トラック協会では,「運転免許取得特別優遇制度」を設けた。また,労働環境を改善し,女性や若者が働きやすく魅力ある環境整備を行っている。さらに,トラック運転者の賃金の低さが深刻であることを踏まえて,賃金アップをはかるための施策を進めている。