抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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網具をもって浮魚類を包囲し採捕するまき網漁業は漁獲効率が非常に高いため,漁業許可によって管理されている。北部太平洋海区で操業する2008~10年の大中型まき網漁業の漁獲量は28~38万t,金額は260~400億円で,日本で最大の漁業の1つである。主な漁獲対象はマイワシ,カタクチイワシ,マサバ,ゴマサバ,カツオ,スルメイカなどである。主な水揚げ港は八戸,気仙沼,石巻,塩釜,波崎,銚子であるが,釧路への水揚げも復活しつつある。北部太平洋海域における水産資源と生態系の特徴は黒潮と親潮が複雑に混じり合う混合水域である。混合水域における水温,水質,流向・流速などの海洋環境が大きく,この環境変動に伴って各魚種の産卵,成長,生残,回遊経路・索餌経路や分布などが変化する。農林水産省が2007~2011年に実施した研究プロジェクト「魚種交替の予測・利用技術の開発」の成果をふまえ,魚種交替の発生のメカニズムと予測手法について得られた知見を紹介するとともに,魚種交替現象に適合した北部太平洋まき網漁業の漁業管理について概説した。