抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ハギ属は1803年にMichaux(1803)によって北アメリカ産の種に基づいて設立され,1873年にMaximowicz(1873)によって初めて体系化された。Maximowiczは今日の分類では別属とされるハナハギ属とヤハズソウ属もハギ属に含めて,ハギ属を広く範囲づけた。その後Maximowiczのハギ属の範囲付けについてSchindler(1913),Nakai(1927),Isley(1948),Hutchinson(1964),Ohashi(1971,2001,2005),Ohashi et al.(1981)などによる意見の変遷があり,今日ではハギ属(狭義),ハナハギ属,ヤハズソウ属に分けられるようになった(Table 1)。これらの属はヌスビトハギ連ハギ亜連としてまとめられている。ハギ亜連では属の範囲付けに異説があることから,分子系統解析研究の格好のテーマと考えられた。Nemoto et al.(1995)はハギ属,ハナハギ属,ヤハズソウ属の系統関係を葉緑体DNAの解析によって初めて明らかにした。さらに,最近ではハギ属はアジアと北アメリカに隔離分布することで種間の系統関係が注目された。その成果が日本(Nemoto et al.2010),韓国・日本(Han et al.2010),中国(Xu et al.2012)でそれぞれ発表された。その結果からハギ属,ハナハギ属,ヤハズソウ属はそれぞれ独立属とする見解が支持された。また,ハギ属はアジアに起源し,その一部が北アメリカに分布し,その後は両地域で独自に分化したと推測された。ハギ属の系統関係から見ると,これまでハギ属をアジアのヤマハギ亜属とアジア・北アメリカのハギ亜属に分けていたが,この分類体系は系統を反映していないことが明らかとなった。そこで本研究ではハギ属の記載を改めると共に,最近の系統関係を反映した次のような新しい分類体系を提案した。ハギ属は現在のところ44種よりなる。また約43雑種が記録されている。まずハギ属を北アメリカ産のハギ亜属subgenus Lespedezaとアジア産のヤマハギ亜属subgenus Macrolespedeza(Maxim.)H.Ohashiに分けた。...(著者抄録)