抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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林業の収穫量を把握することを目的として長期間継続調査がなされている試験地(収穫試験地)のデータを用いて,光合成や呼吸による物質収支に基づくスギ人工林林分成長モデルのパラメータ推定を行った。本研究における林分成長モデルは1)葉群による日射の吸収プロセス,2)吸収した日射エネルギーを用いた光合成による生産プロセス,3)光合成による日射エネルギー変換効率が気温および湿度から律速される律速プロセス,4)樹木個体を維持するための呼吸および5)器官の付け替え(ターンオーバー)プロセス,および6)余剰光合成生産物を各器官へ配分してサイズ成長を行う配分プロセスといった6つのプロセスから構成される。収穫試験地において観測された樹木サイズ(直径および樹高)から部位別(葉,幹,枝および根)バイオマスを推定し,さらに連続する調査データの差分としてバイオマス成長量をもとめた。また,試験地における調査期間の日射量,平均気温および湿度といった気象値を推定した。これらの部位別バイオマスおよび気象値の時系列データを入力値とし,バイオマス成長量を目的変数として,ベイジアンキャリブレーションによりパラメータ推定を行った。推定されたパラメータを用いてモデルの再現性を検証したところ,大きな過大推定をするケースもあったが,おおむね良好に林分成長量を再現できていた。(著者抄録)