文献
J-GLOBAL ID:201402224861191351   整理番号:14A1395203

量子論の広がり-非局所相関と不確定性-宇宙初期ゆらぎのエンタングルメント

Entanglement of Primordial Fluctuations
著者 (1件):
資料名:
巻: 69  号: 11  ページ: 763-770  発行年: 2014年11月05日 
JST資料番号: F0221A  ISSN: 0029-0181  CODEN: NBGSA  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
宇宙の加速膨張期を与えるインフレーションモデルは,現在の宇宙における大規模構造形成に必要な初期ゆらぎを生成するメカニズムを提供すると考えられている。インフレーションの期間中に,加速膨張を引き起こすスカラー場であるインフラトン場の量子論的な粒子生成を通じて空間曲率のゆらぎが生成される。そしてそのゆらぎの波長は宇宙膨張に伴ってハッブル地平線長さを超えるマクロなスケールまで引き延ばされる。このような長波長ゆらぎは,量子的な性質を失い統計的には古典的ゆらぎと区別がつかなくなると考えられている。これがインフレーション起源の量子ゆらぎの古典化である。もしこの量子古典転移が起きたとすれば,インフレーションによって生み出された量子起源のゆらぎを初期線形ゆらぎとして用いることで,重力不安定性に基づいた大規模構造形成の計算を古典力学を用いて追跡することができる。実際,インフレーションモデルに基づいた宇宙論の構造形成のシナリオは,初期量子ゆらぎの古典化を前提として成り立っている。初期量子ゆらぎの古典化の妥当性は理論的に説明すべき事項であり,これまでにも多くの検討がなされている。代表的な議論として場の波数モードごとの振舞いに基づくものがある。インフレーション時の加速膨張によってインフラトン場の各波数モードはスクイーズド状態とよばれる沢山の粒子を含む励起状態になる。十分にスクイーズされた量子状態の下では,正準共役な演算子間の非可換性が実質的に無視できるようになり,その結果として量子論における演算子をc-数の確率変数として置換えて扱うことが可能となる。よってこのような状態に対しては,量子論的な期待値と同じ答えを与えうる古典的な確率分布関数の存在が可能となり,量子的ゆらぎの振舞いを古典的な確率過程に置換えて扱うことが可能となる。しかしながら,この議論は量子古典転移の1つの側面を見ているのにすぎない。量子ゆらぎの古典性を主張するためには,量子的コヒーレンスの消失や量子相関の消失についても検討する必要がある。...(著者抄録)
シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

準シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

分類 (2件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
宇宙論  ,  量子力学一般 
引用文献 (17件):
もっと見る

前のページに戻る