抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
女性の社会進出に伴う共働き家庭の増加や核家族化の進行により,放課後における児童の教育場所として「学童保育」の需要が高まっている。しかし,資金不足や指導員不足などにより,待機児童問題が生じている。指導員不足の原因は,重労働や低賃金などの労働条件にある。指導員の業務のうち,大きな割合を占めている業務は「個別児童の状態把握と指導方針の確立」である。本研究では,学童保育の業務である「児童の社会性の把握と,その向上を目的とする指導方針の確立」を支援するために,ソシオグラムを用いて児童のグループ構成を表示するアプリケーション”学童保育支援システム”を作成した。ソシオグラムの作成には,従来,「ソシオメトリック・テスト」というアンケートを用いる。しかし,児童が「好きな児童」と「嫌いな児童」を実名で記入するアンケートであるため,児童に対する配慮が問題となる。また,結果が児童のその時々の感情などに左右される可能性があるため,正確なデータを得ることができないと考えられる。本システムでは,「ソシオメトリック・テスト」を用いず,実際に「一緒に遊んだ児童」というデータを収集して,ソシオグラムを作成する。また,「被選択数」を考慮することにより社会性も表現できる新たなソシオグラムを提案した。学童保育施設「中央くすのき」の第3施設(児童27人)を対象に数値実験を行なった結果,児童のグループ構成や社会性を表現することができた。そして,業務作業を低減し,日々の作業で埋もれていた情報を活用できた。