抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2011年3月11日,東北地方太平洋沖地震によって生じた大津波は,太平洋に面する東日本各地の沿岸部に甚大な被害をもたらした。そのため,津波によって家を失った多くの人々が,仮設住宅等での暮らしを余儀なくされている。本稿は,宮城県名取市・岩沼市の仮設住宅住民の暮らしの現状と今後の展望を把握するために,2012年度に実施した質問紙調査結果の検討を行う。結果,第一に,住宅再建等復興への展望が見えることの重要性を確認した。今後の展望の見える岩沼市の仮設住民の方が,見えない名取市の仮設住民よりも,国や自治体の復興への動きを評価する傾向が見られた。第二に,近所づきあいや,集会所の設置にともなうさまざまなイベントなどによって,新たな人間関係の構築がなされている様子もうかがえた。しかし,以前の地域と比較して仮設住宅コミュニティへの評価は低くなっており,住居等のハード面のみならず,人間関係という社会的側面においても,失われたものが大きいことを明らかにした。(著者抄録)