抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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凍結乾燥されたZnイオンとのDNA複合体(Zn-DNA)における磁気特性について報告する。脱水されたZn-DNAを純粋なZn-DNAから凍結乾燥処理により作製した。凍結乾燥によるZn-DNAの完全な脱水により,不可逆な構造変化が生じ,各塩基対FD-Zn-DNAで1個のπ電子スピンが生まれた。FD-Zn-DNA内に水分子を導入することで,π電子スピン特徴的な磁気挙動は著しく変化した。脱水したFD-Zn-DNA内において,強いオフサイトCoulomb斥力Vによりスピン一重項基底状態が生じることにより,πスピン系の常磁性が完全に抑制された。それと対照的に,脱水したFD-Zn-DNAは,約0.24eVのπバンド幅に相当する大きなPauli常磁性に似た温度に依存しない常磁性を示した。π電子スピンが生じる可能性のある機構を提案した。凍結乾燥処理の副次的効果として,0.1Tで飽和する非線形常磁性がDNAとZn-DNAの両方で見られた。非線形常磁性は,試料の脱水後に消失した。飽和磁化の大きさに基づいて,非線形常磁性の起源はDNA内の磁性不純物であることを示唆した。(翻訳著者抄録)