抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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水素利用社会の確立には水素貯蔵技術が欠くことのできないものの一つである。このため水素貯蔵材料の開発が進められており,貯蔵能力やその出入能力の改善が大きなテーマになっている。貯蔵能力として高い値が報告されているボロハイドライドが挙げられるが,その動作温度が450°C以上であることが課題となっている。本研究においては,この動作温度の低下を目指し,カルシウムボロハイドライド(Ca(BH
4)
2)を合成する試みを実施した。この合成にはミリング処理の適用を図った。CaH
2とCaB
6混合物を出発材料とし,室温,6MPaの水素雰囲気中において10~160hおよび200と300°C,15MPa水素雰囲気,10および20hのミリング処理を実施した。得たサンプルについて,熱重量測定と昇温脱離質量数分析を用いて水素放出特性を評価した。また,赤外吸収分光,NMRおよび放射光X線回折を用いたキャラクタリゼーションも実施した。これらの実験から,ミリング処理時間の増加とともに水素放出量の増加が得られることを明らかにした。しかしながら,使用するCaB
6結晶子の大きさによって水素化反応は大きく影響受けることも明らかにし,微結晶の使用が必要であることを示唆した。