抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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施設栽培環境において,病害,特にうどんこ病に弱いネットメロンに微酸性電解水を定期的に散布してうどんこ病の抑制効果を検討し,微酸性電解水の植物病害抑制利用の普遍性について考察した。施設栽培のネットメロンに微酸性電解水を散布すると,微酸性電解水区において,うどんこ病の発病葉率(%)及び発病度はいずれも対照区の50%以下と顕著に発病が抑制された。また,慣行区(通常通りに殺菌剤を散布した区)と比較しても,微酸性電解水区はうどんこ病の発病葉率(%)及び発病度ともに低い値となり,防除価も平均60以上と高い防除効果を示した。また,微酸性電解水処理による植物の生理障害等(薬害,生育不良,生産低下など)は認められなかった。しかし,微酸性電解水区では,葉の重なった部位に病斑の残存が認められ,この葉の重なり部位における病斑が病害の継続性に関与していた。これらの結果から,微酸性電解水の定期的散布は,うどんこ病に極めて弱いネットメロンのうどんこ病の発病を極めて効果的に抑制することが明らかとなり,微酸性電解水は多種類の農園芸作物においても有効に植物病害を抑制することができると考えられた。また,微酸性電解水の散布むらが微酸性電解水の効果発揮における課題であり,今後,微酸性電解水を植物体表面にむら無く散布する手段の検討が実用上必要であることが明らかとなった。この課題の解決が,微酸性電解水を実用的な抗菌資材として農業生産に利用することを可能にし,安全で高品質な農産物を低環境負荷で生産する手段を確立していくことが重要であると思われた。(著者抄録)