文献

J-GLOBAL ID：201402237088446595   整理番号：14A0166151

冷水灌漑が水稲高温登熟障害発生軽減に及ぼす影響

Effects of Cool Water Irrigation on Reduction of Grain Quality of Rice by High Air Temperatures during the Ripening Period

著者 (4件)： 和田義春 (宇都宮大学農学部) ,  大関文恵 (宇都宮大学農学部) ,  小林朋子 (宇都宮大学農学部) ,  粂川春樹 (宇都宮大学農学部)
資料名： 日本作物学会紀事  (Japanese Journal of Crop Science)
巻： 82  号： 4  ページ： 360-368 (J-STAGE)  発行年： 2013年 
JST資料番号： G0811A  ISSN： 0011-1848  CODEN： NISAAJ  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 高温登熟障害発生の栽培技術的防止策として冷水灌漑の効果を検討した.移植時期の違いによる登熟期の気温条件と冷水灌漑の水口からの距離による水温条件の組み合わせが水稲コシヒカリの玄米外観品質に及ぼす影響を2か年の圃場試験から検討した.乳白粒,腹白粒と背白,基白粒とでは移植時期と水口からの距離に対する発生の様相を異にし,背白,基白粒は出穂後20日間の平均気温が高いほど発生が多かった.これらの発生は,水口に近い区では低地温によって抑制される傾向にあった.また,心白,背白,基白粒の発生率と出穂前20日間の地温に有意な相関がみられ,出穂前の地温低下による根圏環境の改善が白未熟粒発生抑制に効果があることが示唆された.ポット栽培したコシヒカリを用い,冷水かん水処理を行ったところ,対照区では乳白粒の発生が14%であったのに対し,水温17°Cの冷水かん水処理区では2%まで低下した.このことには,株あたりの出液速度で示される根系の生理活性の低下抑制と葉の老化抑制が関与していると考えられた.(著者抄録)

シソーラス用語： *灌漑 ,  *水稲 ,  *登熟 ,  発生 ,  科学技術 ,  対策 ,  *冷水 ,  距離 ,  水温 ,  温度変動 ,  コシヒカリ ,  品質 ,  圃場試験 ,  地温 ,  被害粒 ,  速度 ,  生物活性 ,  *作用 ,  *抑制
準シソーラス用語： 外観品質 ,  *高温登熟障害 ,  栽培技術 ,  出液速度 ,  障害発生 ,  水温変動 ,  生理活性 ,  白未熟粒 ,  防止策 ,  *抑制効果 ,  *冷水灌漑

分類 (1件)： 稲作  (FC03020C)

引用文献 (39件)：

• 1) 阿部淳・森田茂紀 2004. 根の形態と機能に関する学生実験プログラム-根長と根域温度が出液速度に及ぼす影響-. 根の研究 13 : 61-65.
• 2) 荒井義光・伊藤博樹 2001. 高温登熟時の用水掛け流し処理による水田地温の低下と玄米品質の向上. 日作東北支報 44 : 89-90.
• 3) 千葉雅大・松村修・寺尾富夫・高橋能彦・渡邊肇 2009. 深水栽培による高品質米生産技術-深水栽培が水稲の生育と米粒外観品質に及ぼす影響. 日作紀 78 : 455-464.
• 4) Hayashi, M., K. Sugiura, C. Kuno, I. Endo, Y. Tanaka and A. Yamauchi 2011. Reduction of rice chalky grain by deep and permanent irrigation method; Effect on growth and grain quality of rice. Plant Prod. Sci. 14 : 282-290.
• 5) 小葉田亨・植向直哉・稲村達也・加賀田恒 2004. 子実への同化産物供給不足による高温下の乳白米発生. 日作紀 73 : 315-322.

タイトルに関連する用語 (5件)： 冷水 ,  灌漑 ,  水稲 ,  登熟 ,  障害発生