抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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本稿では,経営者のメンタルヘルスへの対応について検討した。心の病の増加が社会問題となっているなか,職場におけるメンタルヘルスが注目されている。これに対し,大企業を中心に職場における労働者に対するメンタルヘルスヘの取り組みは充実してきている。一方,企業の経営者を対象としたメンタルヘルスは研究さえもほとんど行われていないのが現状である。だが,経営者は常に企業の重要な意思決定や資金問題という精神的に負荷の大きい問題に直面していることから,経営者のメンタルヘルスも重要であると考えられる。そこで,本稿では,経営者のメンタルヘルスに着目し,その状況を概観した上で,職場の中で上司を補佐する秘書が,経営者のメンタルヘルスに対してどのような役割を果たすことが可能なのかを検討してみた。経営者は,同じ立場にいる者が企業内に存在しないため,相談できる人が少なく孤独である傾向にある。一方,秘書は職場の中で上司を補佐する役割を担っている。したがって,秘書が上司の良き相談者となることができれば,秘書は上司のストレスを軽減するソーシャルサポートとしての機能を果たすことが可能となる。また,秘書はその役割上,上司の身近にいることから上司のメンタル不調に早期に気付ける人材であるから,上司のメンタルヘルスに対して自身の出来うることを意識し行動していくことが望まれる。
