抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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気象衛星ひまわりは,1978年の1号機の運用開始以来,現在運用中の7号機まで我が国の気象観測には欠かせない存在となっている。また,アジア太平洋諸国の30以上の国や地域に観測情報を配信し,これら地域の気象観測,災害監視に対しても,大きな役割を果たしている。三菱電機は,現在運用中のひまわり6,7号の後継機として,2014年,2016年にそれぞれ打ち上げが計画されているひまわり8,9号の衛星システム及び放射計データ処理ソフトウェアを受注し,開発を進めている。ひまわり8,9号には,先進的な次世代の放射計を世界に先駆けて搭載する計画となっている。この放射計は,ひまわり7号に搭載のイメージャーと比べて画像の解像度は,約2倍の高精細となり,また,地球全体の観測にかかる時間を,約1/3に短縮する上,日本域などの小領域を高頻度に観測可能となる。一方,放射計での観測精度実現には,放射計を搭載する衛星バスシステムも,従来に比べて高い要求仕様が設けられている。その仕様を満たすため,衛星バスシステムでは,低熱歪(ひずみ)光学ベンチ,高精度姿勢制御系システム,低擾乱(じょうらん)アクチュエータの採用による擾乱低減を図るとともに,地上処理における画像補正のために,高精度・広帯域に光学ベンチの姿勢を計測・決定する機能も持っている。本稿では,ひまわり8,9号の概要について述べるとともに,高精度気象観測を実現するために,衛星バスシステムに採用する複数の技術について述べる。(著者抄録)