抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,中学校学習指導要領第2分野「植物」に関連する領域を,昭和22年試案から平成20年改訂に至るまでの内容の変遷を調査した。また,昭和47年から平成24年までの中学校理科教科書「花のつくり」の内容を調査するとともに,大学生を対象に中学校理科第2分野「花のつくり」で観察した植物に関するアンケートを実施し,植物教材を通した生物多様性と生命の連続性の理解及び植物教材の適切性について分析した。その結果,次のことが明らかになった。(1)平成元年以降の学習指導要領理科第2分野「植物の体のつくりと働き」には「生命の連続性」に関する記述はなかったが,教科書においては「生命の連続性」に関する記述が見られた。(2)教科書の観察・実験で扱われる植物は,「アブラナ」「ツツジ」「エンドウ」であったが,実際の観察・実験では「アブラナ」「タンポポ」「エンドウ」が多く扱われていた。(3)平成24年版理科教科書における「花つくり」の観察・実験で扱われている植物は,概ね春の観察に適していた。(4)アンケート回答者在学時都道府県を,サクラの開花日の4月10日の等期日線で分けて温暖地域と寒冷地域の出身者別に比較すると,観察に用いられた植物上位8種については,統計上の有意差は認められなかったが,カラスノエンドウは温暖地域,寒冷地域の出身者で有意差が認められた。(5)学生の約55%が複数の植物を観察していたが,約45%は1種類の植物または不明と回答しており,「生物多様性の理解」の観点で課題となると考えられる。(著者抄録)