抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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この研究は,学校施設において,いかにして木材利用を普及させることができるのかを提案することを目的とし,木造化の現状と設置者である自治体の意識を明らかにすることから今後の可能性を探る。まず,木造とRC造のコスト比較を行っている。また,自治体の木造に対する意識調査を,学校整備状況,今後新設の場合の構造選択意向,コスト認識,木造のメリット,RC造のメリット,木造で建てる場合の障害,危惧する点について行っている。つぎに木造化に対する懸念事項の解消のため,耐火性,耐震性,木材の品質(構造強度)の信頼性,木材の供給体制,耐久性とメンテナンス,ランニングコストの不明確さ,木造に関する制度・手続き等の煩雑さ,建築の人材確保と知識確保について記している。そして, 設置者である自治体は,木造が子ども達の環境として望ましいという認識をほぼ共有している。しかしながら,木造大規模建築建設に関する情報・経験,信頼できる品質の木材の安定供給体制,メンテナンスに関わるノウハウ等が欠けており,木造校舎の建設は,少数にとどまっている。今後建て替えられる新設校舎については,RC造と同等の選択肢として木造を位置付け,自由に選べるような設置者の懸念材料の解消の方策と周知が,学校建築の木造化の展望を開く上で不可欠であるとしている。