抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年のボルネオにおける昆虫研究状況について紹介した。ボルネオ島の自然環境は,中部や北部に山岳が多く,北端には東南アジア最高峰キナバル山が聳え,南部は平野が多い。大きな特徴は,平地部から低山地の潜在植生が熱帯雨林で,これが広大な面積を占める。現在,ボルネオ低地のほとんどは開発され,オイルヤシなどの人工林になっている。ボルネオの昆虫相調査は,A.R.ウォーレスによる大型甲虫類の調査から始まった。1979~1990年,日本とサバ森林局との共同研究として,昆虫と両生爬虫類の生態解明を中心課題とした大がかりな調査が実施された。1990年代以降,低地原生林(ランビルヒルズ国立公園)における,熱帯雨林の動態を監視する永久プロットの設置や本格的な標本庫の設立などにより,研究の質の向上が計られた。現地研究者の役割や生態学者と分類学者の共同研究など今後の課題とした。